特集 逆流性食道炎
2019年12月6日
今回は、3回に分けて逆流性食道炎(以後、逆食と記します)について、お話をしていきたいと思います。
第一回目は、逆食が起こる仕組みとその症状です。
胃の内容物が食道に逆流しないために
①食道下部にある括約筋
②胸部と腹部の境目にある横隔膜
この二つの筋肉が連携して、胃の内容物が胃より上にいかないようにしています。
健康な人でも、多少胃酸の逆流はありますが、食道の蠕動運動によってすぐ胃に戻されます。
しかし、逆食の人は括約筋の緩みと食道の蠕動運動の低下により、胃酸が胃に戻されず、食道に溜まっている時間が長くなります。
その結果、食道がただれて炎症が起こります。
炎症が起こると、胸焼けや酸っぱいものが上がってくる感じがしてきます。また、咳や胸が詰まるような痛み、喉の違和感、呼吸時のゼーゼー音などがあり、呼吸器科や循環器科に受診しても異常がなく、実は逆食だったということがあります。
次回……その辛い症状を生活習慣を見直すことで、抑えられるお話をします。