特集 逆流性食道炎 最終回
2019年12月20日
今まで、逆食のしくみ・症状・生活習慣の改善についてお話してきました。
最終回は、治療の基本である薬物療法について、当院の治療の流れに沿って説明していきたいと思います。
まず、逆食の症状で受診されたら、胃カメラ検査を行います。これは、食道粘膜にただれがないか確認するためです。
食道に炎症所見が認められ、尚且つ逆食様の自覚症状がある場合を逆流性食道炎と診断します。
しかし、強酸の胃内容物が食道に逆流し、自覚症状があるにもかかわらず、食道粘膜が正常な場合があます。これを、非びらん性胃食道逆流症(以下、非びらん性と記します)といいます。
治療は、逆食も非びらん性も胃酸の分泌を抑える薬を服用します。
基本的な治療経過は、
①胃酸の分泌を抑える薬を2週間服用し来院。症状の有無を確認。同様の薬を2週間処方。
②そのお薬を2週間服用し来院。症状の有無を確認。同様の薬を4週間処方。
③そのお薬を4週間服用し来院。
ここまでは、逆食も非びらん性も同じ治療法ですが、重症の逆食の場合は、再度胃カメラ検査を実施し、食道粘膜の修復状態を確認します。食道粘膜が正常に戻っていたら、症状を見ながら徐々に薬の量を減らし、最終的には薬物療法終了となっていきます。
ここで大切なのは、この最初の段階で処方された薬をしっかり飲むことです。治療段階で症状が改善されてくると、薬を飲むのを忘れていくことが多々あります。症状の消失と食道粘膜の修復は決して一致しないので、途中で薬を止めると再発してしまいます。
同様の症状があり、胃酸を抑える薬を服用しているにもかかわらず、症状が改善されない場合があります。この場合の病名は⁇治療法は⁇
次回、別のテーマでお話していきたいと思います。